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- ドクターズインタビュー
患者様との絆を大切にしています。
ホームドクターであり、
よき相談相手でいられるように。
朝田医院は開業して50年以上になるそうですね。
私の父が1966年にこの場所で開業して、私は2代目になります。
父の代からの患者様もまだ十数人いらっしゃって、中には40年以上のお付き合いになる方もいて、父子二代で診させていただいています。
2001年に私が継承した時には、私が子どもの頃を知っている患者様から「いやあ、ボク、えらい立派にならはって」と言われました(笑)。その方にとって私は、いつまでたっても「ボク」なんですよね。
私自身、小学校から高校まで尼崎で、尼崎の人間なんです。同級生も今では患者として来てくれて、待合室が同窓会のようになることもあります。
この地で長く続けている医院だからこその患者様とのつながり、地域とのつながりがあるので、その絆を大事にしていきたいと思っています。
Interview01
医師になったのは、やはりお父様の
影響が大きかったのですか?
そうですね。子ども心に父のことをカッコいいと思っていました。父は患者様に常に寄り添っていて、患者様がうちからの紹介で入院になると、必ず病院に出向き、患者様の様子を伺っていたことが特に記憶に残っていますね。
開業医として一人で一日何十人もの患者様を診察するという多忙な中、一人ひとりの患者様に真摯に向き合うことがどれだけ大変なことか自分が開業医になってみてよくわかったので、本当に父は立派だったと思います。そんな父のように患者様に向き合いたいと思っています。
実は父の影響で医師になったものの、開業医になるつもりはありませんでした。でも、父が病気になり、今までのように診察できなくなったら、父が大切にしてきた患者様はどうなるのだろうと考えたのです。その時、子どもの頃から見ていた父の働く姿が思い起こされ、開業医もいいなと思えて医院を継ぐことを決心しました。
Interview02
先代院長のお父様から、
受け継がれていることはありますか?
患者様がなんでも話せる相手になることですね。病気や体のことだけでなく、ご家族のことや日々のちょっとしたことから悩みごとまで、この先生ならなんでも話せる、聞いてくれると信頼されるかかりつけ医であることです。
かかりつけ医というのは、ただ病気を診るだけでなく、患者様ご自身のことやご家族との関係、生活の様子、人生観などを理解した上で患者様を診る医者だと、父を見ていて思いました。そのために、患者様とはいろいろとお話をして患者様との信頼関係を築いていきたいと願っています。
あと、当院の午後の診察時間は夜8時までなのですが、これも引き継いだものです。この時間なら、お勤めをされている方も余裕を持って受診できると思います。
お勤めをされている方は「体調がちょっと気になる」程度だと仕事を休んだり早退したりしてまで受診するのを躊躇され、症状が重くなってから受診されることが多いようですが、仕事帰りでも間に合う診察時間にすることで早期受診を促せると思うのです。これも先代の患者様を思う気持ちだと考え、引き継いでいます。
Interview03
医師の私が患者様の元に
出向けばいいだけのこと。
在宅医療・介護の専門職と
チームになって
患者様の療養生活を支えます。
訪問診療に力を入れていると伺いました。
患者様のかかりつけ医として、永らくご縁があったにもかかわらず、患者様がご高齢になって足腰が弱り、通院ができなくなったから、それでご縁が切れるというのが嫌なのです。
患者様が通院できないなら、かかりつけ医のこちらが患者様の元に出向けばいいだけですから。
在宅の患者様はデイサービスや他の訪問サービスを利用されているので、患者様のスケジュールに合わせて訪問時間を調整するようにしています。
緊急時や、夜間・休日などに不安なことがあった場合も訪問看護師などの他の専門職と連携して対応いたしますし、ご自宅での看取りまでしっかりと支援いたします。
Interview04
他の在宅医療・在宅介護の専門職との
連携も重視されているそうですね。
在宅医療というのは、医師だけで患者様を支えられるものではありません。
お一人暮らしの患者様の食事を作って差し上げたい、掃除や洗濯にもお困りだろうと思っても、私にはできないことです。
1つの専門職で、できることが限られています。それぞれの専門職がその専門性を発揮して、お互いに補わなければ成り立ちません。訪問ヘルパーやケアマネジャー、訪問看護師、リハビリを行う理学療法士や作業療法士など、患者様に関わっている専門職の方々と1つのチームにならないと、患者様の療養生活を支えられないのです。
それに患者様と長く接する訪問ヘルパーや訪問看護師の方のほうが、患者様のことをよく理解されているので、今後の療養方針を考える際などには大変心強い存在になってくださいます。
在宅患者様の療養生活を支えるには、多職種連携なしには行えません。そのため、医療介護連携は尼崎医師会の活動の中でも力を入れて行っています。
Interview05
設計にこだわった建物がつくりだす
ぬくもりのある場所
朝田医院の特長の1つに親しみやすい
スタッフを挙げていらっしゃいますね。
ほとんどが、私が朝田医院を引き継いだ2001年から一緒にやってきたスタッフです。「朝田医院のスタッフは、街なかで会っても、気さくに声をかけてくれる」と患者様にお褒めいただくこともあり、医師の私に言えないことでも「先生には言ってないんやけど」と受付でスタッフに打ち明けてくださることもあるほど、患者様から信頼されているようです。
医療機関では医師だけが患者様を診ているように思われるかもしれませんが、朝田医院では看護師や受付のスタッフも患者様を温かい気持ちでお迎えし、見守っています。
Interview06
朝田医院は印象的な建物ですが、
こだわりなどをお聞かせください。
玄関にスロープをつけ、トイレを含む院内外を完全バリアフリーにしています。足腰の悪い方でもスムーズに移動できるように院内の動線にもこだわっています。
2014年に改築した時に設計士から、「街のランドマークにしませんか」と提案いただいて、今のような外観になりました。初めて来院される患者様にもわかりやすくて良いといわれています。2016年には尼崎市から、美しく潤いあるまちづくりに貢献したということで「まちかどチャーミング賞」をいただきました。
夜8時まで診療をしているので、夜間に通院される方がほっと安心できるように、夜間は院内の灯りが優しくもれるような設計にもなっています。
Interview07